【横山秀夫サスペンス 第三の時効】ネタバレあり感想/罪を背負う

横山秀夫サスペンス 第三の時効 感想2時間ドラマ・サスペンス感想

テレビ東京系月曜プレミア8枠にて2時間ドラマ『横山秀夫サスペンス 第三の時効』が2021年11月29日(月)に放送されました。
テレビ東京さんの横山秀夫サスペンスシリーズでは第3作目で、今回は楠見班長(楠見昌平役:松重豊さん)が中心の話です。

3人班長がいることを最初は忘れていました。朽木班長(朽木泰正役:仲村トオルさん)と村瀬班長(村瀬恭一役:岸谷五朗さん)の話は以前放送をしていましたね。

シリーズを続けてまとめ見したいです。

【第三の時効】簡単あらすじ

時効目前の犯人逮捕に山梨県警強行犯捜査二班・班長の楠見昌平(松重豊)が乗り出した。指名手配中の武内利晴(水橋研二)から被害者である本間ゆき絵(ともさかりえ)に連絡が入るのではないかと張り込みを開始する。

【第三の時効】ネタバレあり感想

以下、『第三の時効』の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。

キャスト感想

吉沢悠さん(森隆弘役:吉沢悠さん)に山崎裕太さん(間敦志:山崎裕太さん)、若い頃にめちゃめちゃ好きで、そこにともさかりえさん(本間ゆき絵:ともさかりえさん)が入ると青春時代を思い出します。

キャスティングがさえてます。

平祐奈さん

ありさちゃん役は平祐奈さんだったんですね。(本間ありさ:平祐奈さん)

サスペンスではあまり見ないので知らずに見ていました。

かわいいけど、高校生が大学生役をしているのかと思っていましたが普通に年相応だったんですね。若く見えます。

見た目でいうともうちょっと大人っぽいイメージがあったのですが、動いている絵だとまた違うのだなあと新たな発見でした。

松重さん

松重さんかっこいいです。いちいち全部かっこいいです。

楠見昌平というキャラクターについては計画を部下に伝えてくれないし、エスには冷たいし、上司にしたくないランキングにランクインしそうですけどね。

3人そろって1人掛けソファーで横に並んでいるシーンは圧巻でした!かっこいい。

村瀬班長は一方的に楠見班長を嫌っているようですが、あなたもナカナカですよと。

まともなのは朽木班長くらいですかね。

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まず初見は疑う

奥さん証言の回想を視聴者側は信じていいんですね?
とてもその回想がねじ曲がっているように思えるのですが、信じていいんですね?
という気持ちから入りました。

奥さんとたけぽん(武内利晴:水橋研二さん)ができていて、不倫現場を目撃されたから殺害したということではないんですね?

傷害致死か殺人かで警察は考えていたようですが、これだと正当防衛とか過剰防衛の線は出てこなかったのか気になります。

花瓶に付いた血液の場所もあんなところに付く?と思いますが、そうなんでしょう。

逆探知

逆探知が早くて驚きです。

今までのドラマは、長々と話してそれでも逆探知失敗というものしか見たことがなかったので、短時間の会話で逆探知できて科学の進歩を感じました。

調べてみたら、結構前から逆探知に時間はかからなくなったようですね。

アナログ交換機からデジタル交換機に変わり時間はかからなくなったと。

ドラマしか見ていないと勘違いしていることも多いんですねえ~。

楠見班長の実況

楠見さんがたけぽんさんの逮捕実況を行いましたが、なんというシュールな映像。

しかも偽実況だったという。

あまりはっちゃけてそういったことをしなさそうな人なのに臨場感を持ってできるのは公安出身だからでしょうか。

数々の演技を行ってきたんだろうなあと。

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犯人

実の犯人は奥さんでした。

まさかの第一印象ドンピシャという。

犯行シーン以外は正しく回想されていたのでこういう違和感があったのでしょう。変に脚色しないのは好感度いいです。その後、改めて回想してくれましたし。

これは真犯人に気付かずに、もう一回見直したとしても面白そうですね。

ホシを起訴した

「ホシを起訴した」そして「実況」。これで真の”ホシ”を自白に導いたわけですね。

彼女は、自分が犯人だと自白しても時効は成立しているから大丈夫という打算があったのでしょう。

たけぽんのためと見せかけているし、女性ってコワい……ってなります。

涙もウソくさく見えてしまいます。この涙が、課長も含めた当時の捜査員を惑わせたのでしょうね。

自分のことの証言になると正当防衛に限りなく近い話になっているのがまた策士です。
せめてたけぽんのときも同じように話してあげてほしかったです。

ICレコーダーの内容だけでは殺人罪、厳しいでしょうね。他の証拠も今更見つからないでしょうし。花瓶くらい?

だからこそ楠見班長は奥さんの心をポキリと折りにいったのでしょうね。

娘さんの思い

この子は武内の子でも本間の子でもありません、私の子です
っていうのは独り善がりな言葉だと思うんですよね。

娘さんが納得しているからいいかとも思うのですが、それまで父親じゃないかと思われる人の画像を幾度も見て思いをはせていたわけです。

母親が好きなので自分の気持ちを飲み込んだのでしょうが、かわいそうです。

課長の罪

課長が退職届を手にしていたので、犯人を間違えた責任をとって退職届を提出するのかと思ったら、破り捨ててビックリしました。

ここで言う罪を背負うとは、今後もいろんな事件で犯人逮捕に尽力するということなのでしょうね。

第三の時効を考える

第三の時効というタイトルなので、「3」というのは何なのかを考えるのがまず楽しかったです。

通常時効は1つだと思うので、2つ目3つ目というのは何だろうと思いました。

被疑者が逃亡直後外国に逃げていたということで、時効が延びそれが第2の時効となりました。

では第3の時効は?知らないだけで何か時効を延ばす方法があるのかと考えましたが思い浮かびません。

ギリギリまで明かされませんでしたが、そんなのアリ?!という手段でしたがいいんですね?

時効とは裁判所に起訴できる期日のことだから、本人がいなくても特定できていれば先に起訴するよーって。

ひええ、聞いたことがなさすぎて震えました。

犯人が分かっているからこその手段です。

裁判所の通知を遅らせる目的もあったと知り、楠見班長の頭の切れの良さにうなりました。

これは時効になっていたとしても殺人罪に切り替えて第4の時効としても良かったのでは?と思いましたが、切り替えたとしても時効がないので「第3の時効」としたのだと気付いて深いなと思いました。

応援の森刑事

森刑事を応援に呼んだ理由が最後まで分かりませんでした。

今回の事件に関わっていたからですか?それにしてはこれといったことがなかったです。

関わったのも対象車両を見つけたくらいでしょうし、そんな探していたものを見つけて因縁つけられても困ってしまうんですが。

自分と重ねて、ただ女性にだまされていることを諭したかったのでしょうか。

第三の時効 総評

まさか第一印象が当たると思わず面食らいましたが、そんな手があるの?!という驚きと、
楠見班長の嫌な人間という印象からの頭の切れが良かったです。

前半沈黙気味からの後半怒濤の事実が面白かったです。

重たい雰囲気ではありましたが見やすかったです。

3人班長の中で一番好きなのはオーソドックスに近い朽木班長ですかね~とか言っておいて、第1弾朽木班長主役の「沈黙のアリバイ」を見返したら、覚えていたのと違ったと手のひらを返すかもしれません。

【第三の時効】キャスト(敬称略)

楠見昌平(山梨県警本部刑事部・捜査第一課強行犯捜査二係(二班)班長、元公安):松重豊
本間ゆき絵(敦志の妻、スーパー・Aプライス勤務):ともさかりえ
森隆弘(強行犯捜査一係(一班)):吉沢悠
本間ありさ(ゆき絵の娘、山梨看護学校1年):平祐奈
尾関守(山梨県警本部刑事部・刑事部長):岩松了
田畑昭信(山梨県警本部刑事部・捜査第一課長):平田満
村瀬恭一(山梨県警本部刑事部・捜査第一課強行犯捜査三係(三班)班長):岸谷五朗
朽木泰正(山梨県警本部刑事部・捜査第一課強行犯捜査一係(一班)班長):仲村トオル

武内利晴(20年前の事件の重要指名手配被疑者、当時タケウチ電器社長):水橋研二
本間敦志(20年前の事件の被害者、ゆき絵の夫):山崎裕太
植草俊之(強行犯捜査二係(二班)主任):大西武志
宮嶋義雄(強行犯捜査二係(二班)):池田努
阿久津巧(強行犯捜査二係(二班)):菅原健
ゆかり(女性信者、楠見のスパイ):西山繭子
進藤秋子(森がかくまう女性):大村彩子
渡部善博(森が行動確認した判事):安部賢一
羽村瑞希(強行犯捜査二係(二班)):入来茉里
佐伯(ありさの元恋人):八村倫太郎
石上博(強行犯捜査二係(三班)):吉成浩一
須藤康広(強行犯捜査二係(三班)):藤原智之

ありさの友人:坪井渚紗
ありさの長身の友人:平野詩乃
ありさの学校前にある、張り込みのための家の家主:真下有紀
田畑と森が立ち会った裁判の裁判官:野村たかし
男性信者:谷口一
公安時代の楠見の上司:佐藤隆幸
20年前の田畑の上司:野口雅弘
楠見と阿久津が立ち会った裁判の裁判官:池浪玄八
ありさの幼少期:木村日鞠
秋子の息子:小林蒼
 岐部公好木村史明佐田明 他