【嫌われ監察官 音無一六スペシャル(4)】ネタバレあり感想/彼女はそれで良かったのか?

嫌われ監察官 音無一六スペシャル(4)感想2時間ドラマ・サスペンス感想

テレビ東京系にて2時間ドラマ『嫌われ監察官 音無一六スペシャル』が2017年1月18日(水)に初回放送されました。小日向文世さん主演のシリーズ第4作目になります。
今回からナンバリングが外れて分かりにくいですが、室井滋さんが出演されているのが4作目になります。

今回は2021年11月にBSテレ東で再放送されたものを視聴しました。

4で少し作品がリニューアルされた感じがあります。
今までを知らない人のために冒頭に説明があったり、中盤で画像を使って事件概要をまとめてくれたり分かりやすかったです。
画像使用については本来あまり好きではないのですが、とても分かりやすかったです。

嫌なキャラがみんな嫌なキャラで、演者さんの演技力の高さにとても楽しませていただいています。楽しいですけどしんどいです!

【嫌われ監察官 音無一六4】簡単あらすじ

監察官の曽根崎修(望月章男)が、女装した姿で亡くなっていた。捜査本部の立った西調布署へ行った監察官・音無一六(小日向文世)宛てに告発文が届く。

【嫌われ監察官 音無一六4】ネタバレあり感想

以下、「嫌われ監察官 音無一六スペシャル(4)」の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。

トンボの奇跡

今回ひそかにトンボがキーになっていたので、虫嫌いの音無さん(音無一六役:小日向文世さん)には少しつらかったでしょうね。

インテリアでもリアルでなかったら平気なんですかね?

玄関チャイムを押そうとした時の指にトンボが止まったのには奇跡過ぎて笑えました。

ただ、虫嫌いのこちらにとってもいろいろとつらかったです。おもちゃのクモですらウッとなりました~。

長さんは大人

長さん(長田健次役:不和万作さん)については、結果論ではあるけど病気が見つかったとか、何か音無さんにいい結末になるかと思っていたら、ただ長さんがいい人で丸く収まっただけでがっかりでした。

長さんは、最初から偏見なく音無さんをかばってくれた数少ない人ですし、音無さんに軽いお小言で終わらせて大人だなと思いました。音無さんは何歳の設定なんでしょう。長さんが若手エリートと会話するみたいな感じで違和感は半端なかったです。
周りの目が厳しいのも分かりますが、葬儀を代わりに取り仕切るのは許してあげてほしかった気もします。

千住警務部長にはがっかり

千住警務部長(千住遼子役:田中美佐子さん)の態度に今回はがっかりでした。

今までは音無さんのやり方を支援していましたし、元カレでも悪いことにははっきりとノーを突きつけていたので、今回も自分に任せろと言っていたのでちゃんとしてくれていると思っていたのに、感情論で判断してなんだか信じられなくなりました。

手紙を出した相手が分かったのは最後でしたし、千住警務部長の判断も仕方がなかったのかなと無理やり納得しかけましたが、最初に手紙が届いた時点で差出人が松下さん(松下亜紀子役:室井滋さん)だと気付いていたと言い出してちょっと耳を疑いました。
それは松下さん自身が出したSOSをスルーしたってことになるのでは?話を聞きには行ってくれましたが踏み込むこともできず、かばうだけで悪化させてますから、今までの千住警務部長像とは違いました。
こういうところを見抜いて手紙は千住警務部長ではなく音無さん宛てにしたのではないかと思いました。

ネット記事に怒る

ネット記事については憤りしか感じませんでした。

迷惑をかけた側が、でっち上げで正しい行いをした者を落とすって本当に悔しいです。

この辺りは、今回の事件の発端と通づるものがあって伏線だったのかもしれません。

ウソの記事でもこども食堂に迷惑をかけたのは事実なので注意は仕方がないのでしょうが、頭ごなしに怒る七尾刑事部長(七尾政和役:石丸謙二郎さん)にもブーイングです。
一切言い訳をしない音無さんはかっこよかったです。

まあ音無さんに何も処分がなかったことを考えると、事実確認はしてもらったと考えて良いでしょう。
ネット記事元にも厳重抗議をしてもらいたいです!

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犯人予想と実際

みんな怪しく見えて、みんな違うようにも見える、ドラマ音無一六はうまくできているなあと思います。

中盤までは全く予想も付かず、今回は警察内部の犯行っていう感じもしないよなって感じで、島岡さん(島岡正役:近藤公園さん)の存在はちょっと気になってはいましたがいい人か悪い人かの判断が付けられずにいました。

警察学校の同期という話が出てきて、中村刑事(中村康介役:山崎銀之丞さん)は年齢的に違う、島岡さんはありえる……え、加藤刑事(加藤和馬役:堀井新太さん)も年齢的にありえるし途中で存在が消えているので彼なの?!とドキドキしていたら犯人は島岡さんでずっこけました。
これはいいミスリードに引っかかりました笑
島岡さんが警察学校の同期なら、名簿を入手した時点で名前に目を通して気付いてほしかったです。

1番憎むべき相手を松下さんと由美さん(阿部由美役:西原亜希さん)女性陣2人がそれまで笑顔で親しげに接していたので、こわー!っとなりました。

命に危険が迫っている中での自白強要は証拠能力がないんじゃないかなと心配していたらまさしく突っ込んでくれて、犯人しか知り得ない事実で犯人を落としてくれてスッキリしました。

彼女はそれでいいのか?

監察官である曽根崎さん(曽根崎修役:望月章男さん)を悪い側に仕立てるのは意外でした。結果的にはいい人でしたというオチになるのかと思っていたのですが、悪の一味的なポジションでした。

石黒さん(石黒信也役:山岸門人さん)が子どもを授かって改心したと思われたように、曽根崎さんも後悔をして仕事には熱心に取り組んでいた可能性もあるので、何か曽根崎さんについても言及が欲しかったです。

曽根崎さんが女装で見つかった際に、着替えさせられたんだろうとは思いましたが、実際に女装癖があろうとも周りに迷惑をかけているわけではないのですから、面食らうのは分かるとしてもそれをバカにするのはどうなんだろうなと捜査を担当する刑事さんたちには思いました。女性軽視もひどかったです。

石黒さんについては、車のトランクの中から女装男子が出てきたらさすがにいろいろびっくりしますわね。世間の風当たりがつらいのも理解できました。

それが、奥さんのプレゼントらしき洋服があったから着せたって手段がひどいです。使い方によってこんなに印象が変わるのだと身に染みました。

過去に犯罪に手を貸しているので、時間がたって自首しようとしても同情する気持ちは割と薄いのですが、女装の真実についてはかわいそうでした。
これこそ犯罪の連鎖ですね。

もしかすると由美さんは、自分の旦那と同じ考えを持っていた人を手にかけた可能性もあるので、そう考えるとなんだかなって思います。
お前がチクったせいでええええ!みたいな心境だったんでしょうか。明言されていないだけで、石黒さんの死に直接曽根崎さんが関わっていたんですか?由美さんは、周りの声に耳を貸して行動するべきでしたね。いや、それでも不幸は起きるんでしょうけど。

ドラマを見ている時は由美さんがかわいそうに思っていましたが、感想を書いていると結構あれ?ってなってきました。

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夫婦写真

やまだ写真館で撮ってもらった夫婦写真を見た時に、由美さんは泣きそうな複雑な表情をしていたので、DV夫を持つ仮面夫婦が結婚写真を撮ったのかと思っていたら、夫婦仲が良くて驚きました。

旦那さんは、山田さん息子(山田秀彦役:神山大和さん)の事件に関係しているのによく顔が出せましたね。真実を話すことができなかったではなく、何がなんでも話すべきだったと思います。

しかし、由美さんの生まれてくる予定だった子の名前が「こころ」だったのは切なくなりました。だからこども食堂の心ちゃん(井上心役:古川凛さん)にも一層優しくしていたんですね。

この流れだったら人形の中にUSBか何かが仕込まれている展開だろうに、まさかの心ちゃんの発言で事件解決とは意表を突かれました。

何だかんだあってもかっこいい女性

松下さんは中盤で土下座強要をしだして、女性軽視のパワハラの中で生きてきたのにひどい……と思ったのですが、よくよく内容を聞くと音無さんへの激励の言葉が詰まっていてかっこいい女性でした。
誰かの言葉で立ち上がる音無さんの展開も好きでした。

告発文にあった松下さんの15年前の罪は、息子の汚名を受け入れてしまい信じてあげられなかったことで、そういったつなげ方もあるのかと感心しました。

単にそれだけであれば、個人的な内容を監察にわざわざ送らないでよねと思うんですが、現在起きた事件に関係しているんですという意味が込められていたのでしょうから納得できました。

嫌われ監察官 音無一六4 総評

よく考えるとアレアレってなる部分はありましたが、ミスリードにうまく引っかかったり、全体を通しては楽しく見ることができました。

【嫌われ監察官 音無一六4】キャスト(敬称略)

音無一六(警視庁人事一課監察官):小日向文世
三条渚(西調布署刑事課):中越典子
中村康介(西調布署刑事課):山崎銀之丞
島岡正(農園・洋菓子店「イルコリース」の社長):近藤公園
阿部由美(洋菓子店「イルコリース」のパティシエ):西原亜希
加藤和馬(西調布署刑事課):堀井新太
曽根崎和美(修の妻):野口かおる
下柳勉(フリーの雑誌記者):神農直隆
石黒信也(元南麻布署生活安全課、当時巡査部長、由美の夫、故人):山岸門人
曽根崎修(警視庁人事一課監察官):望月章男
山田秀彦(15年前転落死、当時巡査):神山大和
井上心(こども食堂「もりもり」に通う少女):古川凛
松下亜紀子(こども食堂「もりもり」代表):室井滋
山田幹夫(やまだ写真館店主、秀彦の父親):小倉一郎
岩瀬厚一郎(警視庁捜査一課管理官):佐戸井けん太
長田健次(西調布署刑事課):不和万作
七尾政和(警視庁刑事部部長):石丸謙二郎
二宮満(居酒屋「みつる」主人、元世田谷西署署長):小野武彦
千住遼子(警視庁警務部部長):田中美佐子

佐藤(東京都警察学校初任科):八十田勇一
ナレーション:佐藤祐四
曽根崎のマンションの管理人:谷田部俊(我が家)
こども食堂「もりもり」緑バンダナのスタッフ:藤本静
南麻布署警察官:友寄
田辺(警察官、警視):筒井巧
心の母親:押田佐代子
洋菓子店「イルコリース」のスタッフ:松島志歩
警察官:乙黒史誠
ガードマン:橋本拓也
警備員:関ヒロユキ
制服警官:東龍美
制服警官:和知龍範
記者:森戸宏明
市長:世古陽丸
西調布署交通課女性警察官:三木くるみ 
万引きをした主婦:辰巳ゆい
こども食堂「もりもり」黄バンダナのスタッフ:矢﨑初音
若い頃の松下亜紀子:長田涼子
 佐藤祐四ながともともみ阿久沢麗加 他