テレビ東京系月曜プレミア8枠にて2時間ドラマ『今野敏サスペンス 憐情 警視庁強行犯係 樋口顕』が2022年2月7日(月)に放送されました。内藤剛志さん主演のシリーズ第11作目になります。
外国人労働者に切り込んでいました。
天童さん(天童隆一役:榎木孝明さん)はかっこいいですが、結構自由人でした。
【警視庁強行犯係 樋口顕(11)憐情】簡単あらすじ
金属工場社長の小菅洋一(黄川田雅哉)が何者かに殺害され、物取りと怨恨の両方の可能性を考え樋口顕(内藤剛志)たちは捜査を開始する。小菅は2人の交際相手ともめていたり、他にも黒いうわさが出てくる。
【警視庁強行犯係 樋口顕(11)憐情】ネタバレあり感想
以下、『今野敏サスペンス 憐情 警視庁強行犯係 樋口顕(11)』の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。
外国人労働者や技能実習生
外国人労働者や技能実習生の存在について深く考えさせられました。
コンビニとかが特に身近で、丁寧に仕事されるな~って思うことも多いのですが、慣れない地で働くことの大変さが多いのだと改めて思いました。
イーランさん(徐依然役:竹内茉音さん)みたいな真面目な人は、好感しかないですね。これは国籍関係ありませんが、周りの環境は大事だなあと思います。
天童さんって管理官なんですね
天童さんが樋口さん(樋口顕役:内藤剛志さん)たちと同じテーブルについていて驚きました。
別室で指示だけ出していたイメージがあったもので。
今回、一課長に推薦されていましたが、何だったら一課長だと思ってました。
手の届かない位置の人が、ひぐっちゃんと気軽に呼び合うすごさを感じていたので、管理官だったのかと驚きです。
いえ、管理官でも十分すごいです。
現在の田端一課長(田端守雄役:大河内浩さん)も見る目があって判断力もある良い一課長で安心です。多分、過去回に出演されてますよね……。
美月さん(岩井美月役:石野真子さん)のことを隠さずすぐに連絡先を見せたことも、自宅待機をすぐに受け入れたことも潔くてかっこよかったです。自宅待機中は結構暴走してましたが、自分で捜査をしたがるのはドラマの刑事のさがですからしょうがないですね。
とっても余談
記憶力が悪過ぎて前回の「疑念」の感想を見返したら、同じく記憶力に悩まされていて笑いました。成長とは。
しかし今回は、連ドラシーズン1を録画で確保できていますし、2サスも3作目から9作目くらいまで確保できていると思うので、心の余裕が違います!
これは連ドラ版を見る前に復習が必須そうです。
ちなみに冤罪犯の内容は割と覚えていて(8/8に次作が放送されるのでチェックしていた)、この頃からドラマ2回視聴をしているのかと思ったら、疑念のほうが冤罪犯より視聴が後なので謎は深まるばかりです。オフライン感想日記では2021年12月からしか2回視聴の記録は追えませんでした。
シリーズによって覚えやすい覚えにくいがあるのかもしれません。樋口シリーズは日常に溶け込む事件なのかもですね。
いつの間に氏家さん
氏家さん(氏家譲役:佐野史郎さん)が途中からしれっと捜査会議に参加していて、疑問に思っているのは私だけなのか???となっていたら、ちゃんと樋口さんがツッコんでくれて安心しました。
きちんと上にかけ合って参加している辺り、氏家さんに抜かりはないです。
ピエロさん(春山洋平役:福澤重文さん)は、あんなに愉快そうなのに裏とつながっていて、日常に潜む闇という感じで怖かったです。
「誰だお前」って、こっちこそメイクで人相も分からないし誰?!って感じでした。キャラが立っていて個人的には好きでした。
犯人予想と実際
「5年前に強盗殺人を起こし、直後に投身自殺」。このワードだけで、とっても冤罪臭が半端ないのが2時間サスペンスですね。
悪い人臭全開の人
犯人かは置いておいて、徳永さん(徳永淳役:津田寛治さん)の悪い人臭がすごいです。悪い人に見えて実際はいい人ってこともありますが、これはまごうことなき悪い側の人間だなと、演技力の高さに笑いました。
最低でも、犯人の動機の事件を起こしてそうですし、この人に頼らないといけない仕事はつらいなあと思いました。
個人的に労働基準監督署の人はできる人というイメージで尊敬しているので、軽いショックです。
予想からそのまま犯人確定へ
弁護士の羽澄さん(羽澄京子役:松井愛莉さん)は、全体的に元気がなくてうーんって感じでした。ハキハキはしゃべっていると思うんですが、あまり仕事ができなさそうというか覇気がないというか。
美月さん息子の誠司さん(岩井誠司役:中田圭祐さん)が弁護士を目指していたということで、羽澄さんが犯人確定したわけですが、自供する際に人が変わったように見える演出ねと納得しました。
誠司さんへの思いの丈を語るシーンは良かったです。
それにしては、誠司さんへの熱意はあっても、仕事への熱意はないように見えたので、それだったら最初から元気っ子でいてほしかったです。
徳永さんにシンポジウムの依頼をした時には、こんな怪しそうな人に頼まないといけないのかと引いたものですが、犯行につなげるためだったと知り感心しました。
羽澄さんは、徳永さんたちとやっていることは同じと言われるのは相当こたえたと思います。
違和感とやっぱり悪い人だった人
犯行が、話し合いをしてからの実行という回想に違和感を感じていたら、捜査の最初では待ち伏せをされて襲われた前提だったので変な感じがしたんですね。
そして、やりようによっては正当防衛になりそうな感じで、羽澄さんは弁護士で頭が回るでしょうによぎらなかったんですかね。
殴る回数が1回少なければとか供述を少し控えめにしておけばとか、その場で警察に通報していれば本当にあり得ました。
そうか、他にも手にかけたい人がいたのかと思ったら、佐川さん(佐川蓮役:金山一彦さん)は徳永さんが手にかけていたとかびっくりでしたー!
過去にはそれ以上にあくどいことをしているのに、今回は自分の手を汚したからか、きょどっているのが小物感漂っていて、ちょっとおかしかったです。
やっぱり冤罪
過去の誠司さんが逮捕されていた事件については、案の定冤罪でしたが、思った以上に悲惨でした。
小菅さん(小菅洋一役:黄川田雅哉さん)は自分の工場の営業を頑張っていたみたいですし、佐川さんもいろんな語学を覚えていたみたいですし、ギリギリまでいい人であれと思っていたのですが希望がついえました。
誠司さんだけでなく、一緒にいた高さん(高孫珉役:高根沢光さん)を巻き込んで手を汚させようとするなんて憤りを感じます。
しかし高さんは実行できなかったのに消されなくて良かったです。
美月さんの家にあった遺骨箱は、美月さんの死が近づいてきて自分の葬儀の準備をしたのかと思ったら(中が空だと思っていた)、高さんの物だったようで、美月さんのかばいたい人に対する心の広さはすごいです。
恋は盲目
美月さんって、天童さんに対して失礼ですよね。
喫茶店での態度は、後ろめたいことがあってわざと冷たく突き放したのかと思ったのですが、割と素でやってたっぽいです。息子の誠司さんとその恋人の羽澄さんのことしか考えてないというか。
加害者家族になってしまって、事件再捜査には力になってくれなかったかもしれませんが、天童さんはその後のケアはしてくれたと思うので、やってもらうばかりで何だかなって感じでした。
元恋人だから当然?冤罪だからやってもらって当然?今までいろいろしてもらったけどって感謝と謝罪を伝えれば突き放していいってことじゃないと思うんです。
だけど、職場では姉御肌のいい人のようだったのに、天童さんへの態度と警察に対してのぎこちなさは残念でした。石野真子さんの演技がうまいですわー。
天童さんは、容疑者の1人である美月さんに対して名前呼び捨ての姿勢を崩さず、上司の恋愛関係を見ているようで恥ずかしかったです。恥ずかしがっていたら、本当に元恋人同士でそれならしょうがないなってなりました。
まあ、一課長の前でも樋口さんのことをひぐっちゃんと呼ぶくらいですから、そういう人なんでしょうね。
行方をくらました美月さんを発見した天童さんの笑顔と、そこから美月さんが逃げ出したのを見た天童さんの驚き顔が、非常に切なかったです。そりゃあ逃げるでしょって思うのですが、恋は盲目な感じが非常にしました。
弁護士を呼んでください
ルークさんの「弁護士を呼んでください」発言は、好きじゃなかったです。ぎょっとしました。
高圧的に感じてしまったのかもしれません。警察の対応におかしいところがないように見えましたからね。
監理団体の人が、何か警察に不利益なことをされそうになったらこう言いなさいと指示があったのかと思ったらそうではなく、メールで弁護士のことを知っていたからから発言したようです。
呼び方に気を付けなさいと一文入れておいてほしかったです。これぞ国籍の違いかと思いました。これで嫌に感じるのは日本人的感情なのかななんて。
相手が樋口さんたちでなかったら、警察側に嫌な態度を取られていた可能性もあったと思います。
せっかく友人のためを思ってしたことではありめすが、ルール違反はルール違反なので、せめて反省してほしいです。
羽澄さんの対応もあれで良かったんですかね? 樋口さんたちもニコニコしてましたし。慣習がよく分かりません。
でも、ちゃんと佐川さんにもお礼を言えるルークはやっぱりいい人でした。
警視庁強行犯係 樋口顕(11)憐情 総評
全体の感想としては、まあまあといったところでしょうか。それよりは、サスペンスを見れている楽しさに浸りました、やはり内藤さん主演は強いです。
謹慎している刑事が独断行動をして、振り回される側の視点で見られたのも楽しかったです。
チャームに指紋が付いていたところとか、細かいところの説明がきちんと表現されていたので、好感の持てるドラマでした。
【警視庁強行犯係 樋口顕(11)憐情】キャスト(敬称略)
樋口顕(警視庁捜査一課強行犯係・警部):内藤剛志
遠藤貴子(東洋新聞社会部記者):矢田亜希子
樋口照美(顕と恵子の娘):逢沢りな
菊池和馬(警視庁捜査一課強行犯係・巡査、天童の甥):佐野岳
藤本由美(警視庁捜査一課強行犯係・巡査長):片山萌美
中田裕之(警視庁捜査一課強行犯係・巡査部長):小松利昌
吉崎衛(警視庁鑑識課・警部補):斉藤暁
田端守雄(警視庁捜査一課長・警視正):大河内浩
樋口恵子(顕の妻):川上麻衣子
天童隆一(警視庁捜査一課管理官・警視):榎木孝明
氏家譲(警視庁捜査二課選挙係・警部):佐野史郎
岩井美月(老人介護施設職員、誠司の母親):石野真子
羽澄京子(オリエンタル・ローオフィス弁護士):松井愛莉
佐川蓮(監理団体ボイジャー代表):金山一彦
小菅洋一(小菅金属社長):黄川田雅哉
岩井誠司(工務店従業員、美月の息子、5年前に自殺):中田圭祐
笠井亜弓(美容サロン経営者):凰稀かなめ
徐依然(老人介護施設技能実習生):竹内茉音
米田舞子(富津第一病院看護師):美馬アンナ
ルーク(小菅金属技能実習生):トミサット
永井清美(ホステス):七ツ森りり
山根智(革製品専門店「山藤」職人、誠司の高校の友人):はるくん(北の打ち師達)
革製品専門店「山藤」店員:ふぇると(北の打ち師達)
荒巻修(小菅金属工場長):岸博之
大葉香津代(小菅金属従業員):真下有紀
高孫珉(誠司の元同僚、富津第一病院に入院中に病死):高根沢光
氏家の知り合い:ホリベン
桑原(飲食店店長):中松俊哉
春山洋平(風船配りのピエロ、裏稼業の仲介屋):福澤重文
中国人マッサージ師:田川可奈美
土屋(富津南斎場):木野本啓
革製品専門店「b3Labo」店員:くれみわ
誠司の職場の現場監督:世志男
革製品専門店店員:増田翔大
三崎弥一(5年前の監理団体ホワイトバード代表):安藤清二
警視庁捜査一課:玉井らん
ライ(小菅金属技能実習生):ファイサ・アンワ
徳永淳(労働基準監督署監督官):津田寛治
他