日本テレビ系土曜グランド劇場枠(土曜21時)にて連続ドラマ『金田一少年の事件簿 第1シリーズ』の最終回・第8話「蝋人形城殺人事件完結編」が1995年9月16日(土)に初回放送されました。主演の初代金田一少年は堂本剛さんです。最終回は拡大放送です。
今回は2022年にTVerで限定配信されていたものを視聴しました。
冒頭に前回のあらすじをじっくりとやったため、7話を見逃した人でも分かる内容になっているのではないかと思います。
第1シリーズは1話完結ばかりでしたから、前後編にすると逆に時間が余ってしまうのでしょうか。それならもうちょっとシナリオを増やしてほしいですが、どう増やせばいいか案が出てこない辺りいい具合にまとまっているのだと思います。
初代【金田一少年の事件簿 第1シリーズ】第8話の簡単あらすじ
バルト城ミステリーナイトの主催者から、全員の命を奪うと宣言される。その言葉通り、1人また1人と蝋人形と同じ状態で殺されていく。
初代【金田一少年の事件簿 第1シリーズ】第8話のネタバレあり感想
以下、『金田一少年の事件簿 第1シリーズ』第8話の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。
工夫される「じっちゃんの名にかけて」
今回の「じっちゃんの名にかけて」は怖かったです。
急に走りだしたかと思ったら縄はしごを登り出して、と思ったらピタッと止まって決め台詞とか、動きの緩急に付いていけませんでした。
たまに不思議な演出をする決め台詞の時がありますよね。私はシンプルなほうが好きです。
緩急といえば、今回はじめちゃん(金田一はじめ役:堂本剛さん)と美雪(七瀬美雪役:ともさかりえさん)が危ない目に遭って助かってまた危ない目に遭ってというのが目まぐるしかったです。
死んだりしないのは分かっているんですが、特に美雪の蝋人形の首が取れていた時にはハラハラしまして苦しかったです。
数え間違い
真木目さん(真木目ひとみ役:芳本美代子さん)も狙われている4人組のうちの1人かと思っていたので、普通にいい人で驚きました。
改めて命を狙われていると思っていた人を数えたら5人いて、うっかりしたようです。
美雪やマリアさん(マリア・フリードリヒ役:ビアンカ・アレンさん)に声をかけたのは、職業病にも近い優しさからだったんですね。
はじめちゃんと美雪を見つけてくれたのも彼女で、発見された時は剣持警部(剣持勇役:古尾谷雅人さん)に見つけてもらいたかったと思っていたのですが、真剣に探してくれたんだろうなと後から考えるといい人過ぎてほれてしまいます。
蝋人形に納得
蝋人形が精密に作られていないのはわざとだったんですね。人間と簡単に判別が付くように。
その中でも人物の見分けられるクオリティという高いハードルを超えてくるのがすごいです。
山田さん(山田隆明役:赤星昇一郞さん)の時は、蝋人形の横に人間の首を同じ部屋に存在させたものだから、リアルにはどっちも作り物なので結構パニックを起こしました。
首のほうは彫りも深くてメークも濃くて蝋人形との違いを見て取れて興味深かったですが、やはりここは演出で本人の顔を映したほうが良かったのではないかなあと思いました。
犯人
マリアさんが暴れはじめて、実はマリアさんが犯人?犯人変更?とゾッとしましたが、彼女の思い込みによる勘違いで暴走しただけでした。
その次に坂東さん(坂東九三郎役:片桐竜次さん)も犯人だと疑われて、全員疑われちゃう?とおかしくなっちゃいました。
結局、犯人であるMr.レッドラムは多岐川さん (多岐川かほる役:黒田福美さん)でした。
三流ミステリー小説じゃないから事件解決しないっていうようなことを言ったのに、指輪1点で降参したのはあっさり過ぎてもうちょっと粘ってほしかったです。
椅子に塩は恥ずかしいからやめたんですかね?
蝋人形リチャードさんを発見した時の剣持警部がめちゃめちゃ蝋人形に近くて、近過ぎぃ!ってついつい中に潜んでいる犯人の気持ちになってしまいました。
息も一緒に止めてみたけど無理ってなった上、全員が来るたびに息を止めているとは修行ですか。
7話の感想で配役を絶賛しましたが、犯人のビジュアルだけが、美しくて納得いきませんでした。周りがいい感じなだけに美し過ぎます。
ちょっとやぼったい感じが良かったです。
それを生かすのかと思いきやそのままでした。
整形するならやっぱり美人っしょ!って感じだったんですかね。
でも演技はさすがでした。犯人と名指しされた時の反応が好きでした。
動機
動機は、25年前に今回の被害者から殺された婚約者・狭山恭次さんの復讐でした。
狭山さんの思想も結構ヤバくてプルプルしちゃいました。
完全犯罪を考えるのは、実行されるのは頭の中だけって言うし趣味の範囲で他人に迷惑をかけてないしいいかって思ったんですが、それを行動に移した時点で悪の道に入ってしまったのではないですか。
お金を返せばいいってものでもないと思います。この事件によって何かしらの処分を受けた人も少なからずいるでしょうし。
あと、計画が遂行できたからといって=完全犯罪ではないと思います。時効を過ぎて初めて完全犯罪では?とかいって、時効を乗り越えたので完全犯罪なんですけどね!
生き埋めとか極悪ですけど、婚約者さんも近いレベルでおかしい人なんじゃないかなと思いました。
剣持警部にも焦点
剣持警部が手帳を見ていた時点で私の中での剣持警部犯人説は終わっていて、疑われだしてびっくりしました。
でもそういう展開もいいよね。と思っていたのに内容が結構キツかったです。
離れる二人に、銭形さんへの感謝
はじめちゃんが剣持警部を疑った時には、お互い言葉遣いが丁寧で、でもはじめちゃんはあんたなんて呼んだりして心が痛かったです。
付き合いも長くなってきたし、お互いに冗談も含めて言ってるんだよね?と思いながら見ていたのですが、どうやら本気だったようで凍り付きました。
クモの巣を付けた銭形さん(銭形ケンタロウ役:内野聖陽さん)の登場で場は和みました。
銭形さんはかませ役ではなくてこのための人物だったんですね!本当に感謝しました!はじめちゃんが被害に遭ったとバタバタしていた時に、蝋人形があることに真っ先に気付いた辺り観察眼もありますし、出会う順番が違えば剣持ポジションを奪えたと思います。
はじめちゃんと剣持警部の仲が縮まったと思っていただけに、今回距離がまた離れてしまったような気がして寂しいです。
最後の最後に
最後の「人を傷つけない犯罪なんてないんだ」と言った剣持警部の場面で、この次を聞いたら絶対泣いちゃうと頭に警告音が鳴る体験を初めてしました。
そして案の定泣きました。
お父さんのために事件を追いかけていて、犯人一味が誰も傷つけてないと発言するとかツラ。
散々言いたい放題だった剣持警部に泣かされるとは思わず、金田一少年すごいとなりました。
金田一少年の事件簿 第1シリーズ 総評
初代第1シリーズ、はじめちゃんはかわいいし言葉遣いに気を遣っているところも見受けられて好感度高いですし、
美雪はあまりグイグイせずいい感じに知的なところも見せつつロングヘアがまさに美雪で、
剣持警部も最後に株を上げ
ドラマの内容も1時間とは思えないまとまり方ですごく好きでした。
内容は動機やはじめちゃんが止めに入る部分にかなり力が入っている気がしました。
正直、初代は思い出補正で面白かったと思い込んでいるのではないかと自分に対して思っていましたが、今見ても本当に面白かったです!
初代【金田一少年の事件簿 第1シリーズ】第8話のキャスト(敬称略)
金田一はじめ(私立不動高校ミステリー研究会、金田一耕助の孫、七瀬の幼なじみ):堂本剛
七瀬美雪(私立不動高校ミステリー研究会、金田一の幼なじみ):ともさかりえ
剣持勇(刑事、警部):古尾谷雅人
多岐川かほる(推理作家):黒田福美
坂東九三郎(坂東探偵社社長):片桐竜次
当麻恵(推理小説評論家):阿知波悟美
山田隆明(弁護士):赤星昇一郞
銭形ケンタロウ(私立探偵、銭形平次の子孫):内野聖陽
リチャード・アンダーソン(イギリスの犯罪心理学者):ロナルド・ハルトン
マリア・フリードリヒ(ドイツの監察医):ビアンカ・アレン
南山誠治(バルト城ミステリーナイトツアー世話係):又野誠治
真木目ひとみ(心理分析官):芳本美代子
佐木竜太(私立不動高校ミステリー研究会):原知宏
真壁誠(私立不動高校ミステリー研究会、金田一と七瀬のクラスメイト):佐野瑞樹
向井猛夫(刑事):立川政市
干潟智子、遠城啓輔 他