テレビ東京系にて2時間ドラマ『嫌われ監察官 音無一六3~警察内部調査の鬼~』が2016年2月24日(水)に初回放送されました。小日向文世さん主演のシリーズ第3作目になります。
今回は2022年5月に地方局で再放送されたものを視聴しました。
今回から音無さん(音無一六役:小日向文世さん)の相棒が変わるものの、他は変わりなくビシッへらへらビシッと進んでいって見応えがありました。
【嫌われ監察官 音無一六3】簡単あらすじ
百人一首が傍らに置かれる連続殺人が発生しているものの事件解決に至らず、捜査本部に音無一六(小日向文世)の特別監査が入ることになった。
【嫌われ監察官 音無一六3】ネタバレあり感想
以下、『嫌われ監察官 音無一六3~警察内部調査の鬼~』の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。
相棒変更
今回から相棒が変更です。
監察官という立場なので、確かに同じ相棒なのは不自然ですよね。分かってはいますが、音無さんを信頼しているちとせさんが好きだったので残念です。
どこかですれ違ったりするのかなと思ったら一切ニアミスがなくて悲しかったです。
そして、主要人物に数字が入っているということにここにきて気付きました。
犯人予想と実際
犯人は髙崎刑事(髙崎邦茂役:松田悟志さん)が最初は怪しいと思っていて、でも更生を見せるキャラの可能性もあったので様子見していたらまさかの被害者になって驚きました。
それではと疑ったのが飯塚管理官(飯塚久雄役:矢島健一さん)か藤代さん(藤代栄治役:宅麻伸さん)だったのですが、警察関係者以外を疑う自分が嫌になって考えるのをやめました。
百人一首事件の犯人
第2の事件の防犯カメラを見て女性の犯人が浮上した時点で、女性の犯人候補が思い浮かばなかったので(秘書さんは雰囲気的にないよなあと思っていた)、まさか出てきていない人物が犯人ではないよね?と汗が流れましたが、まさかが的中でした。
まあ中心人物は出てきた人だったので良かったんですかね。
百人一首の事件は真柴さんが主犯のようで驚きでした(真柴圭史役:尾上寛之さん)。彼は狙われる側の人間だとばかり思っていたので、いいミスリードでした。
合わせて4人で協力し、それぞれの恨んでいる人を協力して手にかけているようでした。
真柴さんが主犯だとドラマ内では明言はされていませんが、そうじゃなかったら、警察の前でべらべら自供してんじゃねーぞって他3人から恨まれるので主犯だと思います!
もう一つの結末
髙崎刑事も自殺は偽装でした。
悲しくもこちらの犯人は藤代さんでした。
「同じ人間とは思えない」のヒントをくれたのでヒント係だったのかと犯人候補から一度抜けておいての犯人が憎い展開でした。
監査で恩情をかけたものの反省せず、母親をターゲットにされて、今度は藤代さんが復讐の鬼になってしまったとは何とも切なかったです。
髙崎刑事の不正を知っていた藤代さんが止めていればこんな事件が起きていなかったという言葉も、藤代さんの家族を被害に遭わされた苦しさもどちらも分かるだけにしんどかったです。
犯人をまとめさせて
百人一首と髙木さんたちの事件の犯人は、同一犯信仰の私でも別の人かな?と考えましたが、全員犯人が違って頭が付いていけませんでしたのでまとめてみます。
百人一首事件の被害者はそれぞれパワハラや私利私欲で手を汚しており、被害者の会前代表の田辺さん(田辺秀治役:藏内秀樹さん)も手にかかってしまう。
百人一首事件の犯人は、真柴さんを代表とした被害者家族・知人最大4名。
髙崎刑事は藤代さんの手によってです。
負の連鎖がすごいです。
別の人間の犯行と聞いて交換殺人かとひらめいた私の考えは間違っていないと思いたい……です……。
髙崎刑事
以前癒着があったけど藤代さんの温情のおかげで刑事を続けられて、仲間からの信頼も厚く、更生したのに音無管理官は疑ってひどい!っていう展開になって、更生することもあるだろうに確かに音無管理官はちょっとひどいかもと思っていたら、そもそも髙崎刑事の監査としてやってきたと聞いて、そりゃあ仕方がないとなりました。
でも確かな証拠もないのに責めるのは良くないですよね。わざと怒らせているのかなという気もするのですが、そういう発言がないので不明です。
報告書に細工して11名を14名にしちゃうのは良かったです。それそれってなりました。
それにしても髙崎刑事さんの発言から聞くに、一切反省していなくて思った以上に悪い人で、人間の裏側って怖いなと思いました。表面を取り繕うことだけがうまくなっていたんでしょうね。
音無さんが厳罰したパン屋刑事さん(中川孝祐役:田中聡元さん)との対比で、監査をする側もされた側も違いがはっきりと見せつけられました。
監察の在り方
ただ、今回の結果が悪かっただけで、藤代さんのやり方のおかげでやり直すことができた刑事さんもいると思うので、監察官としての藤代さんを全て責めるのはちょっとうーんってなりますし、音無さんのやり方だけを手放しで喜べないかなと思います。音無さんもいつ同じ目に遭ってもおかしくないと思いますし。
なんかもう、運な気がします。
3を見て、音無一六という人物が成長する物語でもあるのだなと思いました。
また監察対象が亡くなってしまい、落ちかけているところを腹くくって自分の力で一歩踏み出すのはかっこ良かったです。
結果的に最初やっていたことが間違っていなかったので良かったですが、相手に合わせて柔軟性を持たせるっていうのは多少は大事なんじゃないかなとは思いました。
いや、白か黒かに分けて、恨まれても受け入れますっていう考えなんでしたっけ?
パン屋刑事さんについては、「パニックになってついあんなことを」って言っていましたが、その場で衝動的に手を出してしまうならその言い分も分かりますが、夜になって後をつけて行動を起こしているのですから厳罰は正しかったのだなと思います。
規則に反する行動を取るのであればそれなりの覚悟を持ってもらわなければ困ります。
私も音無さんほどでないにしても、0か100かみたいな性格に近いので、心に刺さる部分も多いです。
自分の新しい就職先を報告に行き頭を下げ、追加で嫌なことを言われても自分のバネにできる人はそもそも故意にケガをさせる行動は取らないと思うんですけど、音無さんの言葉でここまで変われたんだったら本当にすごいです。心のどこかで警察には向いていないと思っていたのかも知れませんね。
というか、ホステスさんと付き合うのって駄目なんですね、知りませんでした。
嫌われ監察官 音無一六3 総評
思い返したら見た記憶はあるのですが、犯人や内容が全く覚えていなく新鮮な気持ちで見ることができて良かったです。
【嫌われ監察官 音無一六3】キャスト(敬称略)
音無一六(警視庁人事一課監察官):小日向文世
三条渚(湾岸北署刑事課):中越典子
髙崎邦茂(湾岸北署刑事課):松田悟志
真柴圭史(「幸愛乃光」広報担当):尾上寛之
中川孝祐(刑事、巡査):田中聡元
末次俊(湾岸北署刑事課):伊与勢我無
原雅義(「幸愛乃光」被害者の会代表):井上高志
田辺秀治(「幸愛乃光」被害者の会前代表):藏内秀樹
藤代栄治(探偵、元監察官):宅麻伸(友情出演)
水守義昭(湾岸北署刑事課):西山浩司
飯塚久雄(警視庁捜査一課管理官):矢島健一
七尾政和(警視庁刑事部部長):石丸謙二郎
二宮満(居酒屋「みつる」主人):小野武彦
千住遼子(警視庁警務部部長):田中美佐子
長棟嘉道、安亜希子、大月秀幸、雑賀克郎、宇津井香織、大家仁志、山本英里、小形牧雄、佐倉孝治、中村嘉夫、ヒロキチ、宮田博一、山口知紗、有野沙織、近藤桂輔、楢原じゅんや、福島悠介、野中充 他