日本テレビ系にて2時間ドラマ『金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件』 が2005年9月24日(土)に初回放送されました。主演の3代目金田一少年は亀梨和也さんになります。
今回は2022年にTVerで限定配信されていたものを視聴しました。
唯一連ドラ放送のない3代目金田一少年です。
はじめちゃん(金田一一役:亀梨和也さん)の設定的に、単発予定だったんだなあと感じました。
今後このはじめちゃんが事件を進んで解決する様子は、あまり思い浮かびませんでした。
3代目【金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件】簡単あらすじ
吸血鬼のうわさがまとわり付くペンションに、七瀬美雪(上野樹里)と金田一一(亀梨和也)は訪れる。吸血鬼におびえる宿泊客たち。ついに七瀬が襲われ、次々と被害が出ていく。
3代目【金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件】ネタバレあり感想
以下、『金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件』 の感想です。ネタバレが含まれますのでご注意ください。
路線変更の金田一少年
金田一役が明るい茶髪の亀梨くん。
冒頭に一緒にいた女子が茶髪ギャルの紗栄子さん(ギャル役:サエコさん)で、すんごい路線変更した金田一少年の事件簿だな!と思ったら紗栄子さんは美雪(七瀬美雪役:上野樹里さん)ではありませんでした。
その直後に出てきた剣持警部が加藤さん(剣持勇役:加藤雅也さん)でかっこよくて、3代目はスタイリッシュ金田一少年の方向で行くのかなあと思いました。
謎を考えるときの指パッチンはスタイリッシュなのか判断できかねましたけど。
初めての大きな事件
殺人事件を解いたことのないはじめちゃん設定でした。
チャラいはじめちゃんは許容できても、事件を解こうとしないはじめちゃんにはイライラしかありませんでした。
でも金田一少年最初の事件簿と思えば、うーん。こちらの葛藤がすごいです。
そして、事件を解きたくない姿勢は34歳の金田一とデジャブります。当時34歳はもちろん存在しなかったでしょうから、逆輸入感すらありました笑
美雪が2回危ない目にあって、うち1回は本当に命の危険もあったのに、人ごとだと思ってうんぬん言うはじめちゃんにドン引きです。むしろ美雪のほうが当事者だろうと。
今回のはじめちゃんと、4代目1話の蔵沢部長が出会っていたら意気投合しそうだなと思いました。
やる気のきっかけ
かたくなに推理をしたくないはじめちゃんに対して、やる気にさせる何かきっかけがあればと言う剣持警部ですけど、美雪の命が狙われる以外のきっかけなんてないでしょうと絶望しました。
犯人に疑われることより殺されかけることのほうが重大だと思うんですけど……。
美雪ははじめちゃんのことを信頼しているのは伝わりましたが、はじめちゃんはそんなに美雪のことを幼なじみ以上に思っている感じは全くしませんでした。ナンパした女の子のほうが大事にしそうです。
この不信感からプラスに持っていけることなんてあるの?と思っていましたが、最後までその気持ちは拭えませんでした。
ただ、推理パート以降の展開は見応えがあったので、ドラマとしては面白かったです。
剣持警部とも今回初対面扱いです。剣持警部のことをおっさんと呼ぶのに、自分のことはボウズと呼ぶなと食ってかかるところが地味にイラっとしました。
3代目美雪
上野樹里さんの美雪は、最初のバスを待つシーンを一目見たときから、うわあ美雪だあと思いました。表情の作り方がうまいんですかね。
ちょっとハスキーボイスでしたが、かわいくて非常に満足です。
ただ、背負い投げする様子は美雪っていうよりコナンの毛利蘭ちゃんでしたね。
3代目剣持警部
剣持警部がかっこ良過ぎます。
ちょっと説教くさいけど、周りの人を守るためにケガをして、それを押して見張りをして、口だけじゃないおっさんに、これは信頼できる大人だとなりました。
ドラマの挿入部分
ペンションに行くことになった理由が、ドラマ仕立てではなくて活字説明で、省略されて目が飛び出しました。
放送時間が足りないんですかね?
ここで人物の人となりを説明してから本編に入るのでは?その代わりのはじめちゃんナンパと剣持警部との初対面ですか。美雪も入れてほしかったです。
※追記
中丸くんたちが出演していた写真があったのに出ていなかったなと調べたら、カットされて上記のテロップが入ったようでした。
元は学校でのシーンも入っていたみたいで、違和感の理由が解けてスッキリしました。
犯人予想と実際
ペンションの従業員側に犯人がいるのは覚えていて、お風呂のシーンで青子さん(湊青子役:星野真里さん)が犯人だと思い出しはしました。
ただ、葉平さん(貴船葉平役:江成正元さん)の存在やせりふ回しが怪しくて、共犯だったかな~違ったよな~と迷いました。
結局青子さん単独犯だったわけですけど、いいミスリード要因でした。
青子さんの子ども時代(幼少の青子役:有安杏果さん)が元ももクロの有安さんだったのもびっくりでした。
トリック
1人目
2階の海谷さん(海谷朝香役:山下容莉枝さん)の部屋で犯行があったと見せかけて、そっくり同じように見せかけた地下の部屋が実際の現場だった。
地下から2階への移動は、重量の積載制限があるエレベーターを使用。血を抜いても体重オーバーした美雪は髪を少し切られ、2階に行ってから血を戻された。そのための吸血痕。
海谷さんの移動もエレベーター使用とのことなので、血を全部抜いた理由がそれですかね。そして血液の保管場所がないから風呂に混ぜたと。
地下の物置の一室に、カバーとかカーテンで簡易的に客室を作り上げたトリックはかなり好きです。
2人目
美雪の部屋にはドアの隙間から血を流し込み、それを見て驚いた美雪がいなくなった隙に二神さん(二神育夫役:正希光さん)を部屋に移動させてくる。まるで最初から部屋の中に二神さんの遺体があったように。
トリック自体を覚えていたのでびっくりはしなかったのですが、初見だとすごいな~ってなります。
これ、自転車トリックでうまく美雪は1人で部屋に戻ったものの、その場で叫び声を上げられたらトリックは成立しませんでしたよね。
叫び声大盤振る舞いの今作で、美雪だけいいタイミングで声を控えてしまうのは違和感だったかもしれません。
誰もいなくなった隙に、遺体を美雪の部屋に移動させるのはなるほどなんですけど、女性1人で血の塊を短時間で乗り越えられるのかっていうとちょっとしんどいですね。青子さんは華奢なのにパワフルな人です。
疑問点も解決
わざわざワインを移動させたことや途中で自転車が見つかったことなど謎が多かったのですがしっくりとくる説明をしてもらってうれしいです。
これが初大事件推理なんて考えられません。
移動したワイン
場所が変わったワインはどうトリックに関係してくるのかと思ったら、安池さんにワインを持っていくため2階へ上がるとアリバイが消えてしまう。時間までワインがなくなったとごまかそうということみたいです。なるほど。
てっきりどれかのワイン瓶の中に抜き出した血を入れてるのかと思っていました。
はじめちゃんがワイン崩壊してしまったのもその後のトリック阻止とかに関係してくるのかと期待したら、何もなくてがっかりでした。
途中で出てきた自転車
自転車が途中で発見された理由も全く予想が付かなかったのですが、美雪から付き添いを引き離すためだったんですね。
うまくいって、はじめちゃん、剣持警部、葉平さん3人ともそちらに引きつけられていました。
ナイト全員!
剣持警部は足をケガしていたのでイチかバチかでしたが、刑事魂が現場を見に行かせました。
髪
美雪の髪は最初から結構注目して見ていたつもりだったんですけど、切られたのがあまり分かりませんでした。
それに気付くはじめちゃんは、女の子のことをよく見ているんだなあと感心しました。
犯人エプロンのポケットから切った髪の毛が出てきたのは、はじめちゃんのマジック的ブラフに見えましたが明言はありませんでした。
それやっちゃうと、たまにだったら許容できても、今回のはじめちゃんの場合だと1回中1回相手をはめたことになりますから、今後はじめちゃんを信用できませんよね。
髪の毛が本当に残ったということにしておきます。
巡る血
”ボンベイ型の集まる村”具合にちょっと引きつつありましたが、青子さんの血液を緋色さん(緋色景介役:中村俊介さん)に、それで危険になった青子さんは昔お姉さんが助けた少女の輸血で助かり、巡り巡る運命にうるっとしました。
少女出してくるのは卑怯です……。
見えない真実もあったのでは?
青子さんの立場から見れば被害者の海谷さんと二神さんは鬼のような存在で、話を聞いたこっちも憤りを感じていましたが
お姉さんの先が短かったことや承諾もあったことから、緋色さんだけじゃなくて殺された2人に対しても全然違った真実があったんじゃないのかなあと考えて切なくなります。
安池さん(安池薫役:矢島健一さん)はごうつくばった罰ですね。吸血鬼の格好をしてウロウロしていたなんて思いませんでしたよ!トリックを混乱させてもう。
3代目 金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件 総評
はじめちゃんの設定の改変で、新しい作品として見ないとなあといった感じではありましたが、トリック自体は面白くて満足でした。
あと、星野さんが、一番好きな演技パターンだったので良かったです。
3代目【金田一少年の事件簿 吸血鬼伝説殺人事件】キャスト(敬称略)
金田一一(私立不動高等学校、名探偵・金田一耕助の孫):亀梨和也(KAT-TUN)
七瀬美雪(私立不動高等学校、金田一の幼なじみ):上野樹里
湊青子(廃虚ペンション・ルーウィンのスタッフ):星野真里
緋色景介(ルーウィン宿泊客):中村俊介
猫間純子(フリーライター):小西美帆
貴船葉平(廃虚ペンション・ルーウィンのスタッフ):江成正元
海谷朝香(ブティックオーナー):山下容莉枝
二神育夫(医者):正希光
辻由利亜(6年前に亡くなったルーウィンの前身のホテルの娘):加藤ローサ
ギャル:サエコ
幼少の青子:有安杏果
警官:滝裕次郎
安池薫(ルーウィン宿泊客):矢島健一
比良川透(廃虚ペンション・ルーウィンのオーナー):篠井英介
流山森太郎(報道カメラマン):保阪尚希
剣持勇(警部、廃虚マニア):加藤雅也
他